浦島太郎
1投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー  投稿日:2019年06月12日(水) 03時30分31秒
むかしむかし、あるところに太郎という青年がおった。
ある日、太郎は浜辺で子どもたちにいじめられているウミガメを見つけた。
それを見た心優しい太郎は
「こりゃーっ!カメをいじめるでねえ!」と子どもたちを追い払い
ウミカメを助け定位置に戻してやった。
ゆっくりズブズブと海に帰っていくウミガメ、それを太郎は見届けたのじゃった。

次の日、太郎はいつもように釣りへと出掛けた。
定位置に居たのは釣り仲間の五作だ。
太郎「五作よ、おい五作よ」
五作「たろうか、なんだ」
太郎「おらはウミガメを助けたんだ」
五作「それはどういうことでい」
太郎「昨日、子どもたちがウミガメを取り囲んで小石をカメの背中に投げたりしていじめていたんだ」
五作「うん」
太郎「そこでおいらはウミガメが可哀相だと思ったでよ」
五作「ほいで」
太郎「『こりゃーっ!カメをいじめるでねえ!』って怒鳴ってやっただ」
五作「ほいで」
太郎「そしておらはカメを定位置に戻して、海に帰るのを見届けたんじゃ」
五作「そうか、おめえは優しい男じゃの」
太郎「そうじゃ、こんな優しいわしになんで女は寄り付かんのじゃろ・・・」
五作「まあまあ、そのうちにいいことあるで、おっ!竿が、こりゃ大物じゃ」

釣りを終え、家に帰る太郎、家には年老いた母親が居た。
太郎「おっかあ、昨日のこと覚えてるか?」
2投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 03時40分12秒
母親「昨日?はて、何があったかねぇ」
太郎「おっかあ、わりとぼけてきたんじゃねえか?昨日おらはウミガメを助けたでねえか」
母親「ああその話かい、ちゃんと覚えているよ、カメを助けたんじゃろう」
太郎「そうじゃ、わしは子どもたちにいじめられていたウミガメを助けたんじゃ」
母親「太郎は優しいねぇ」
太郎「ウミガメが海に帰るのを見届けたんじゃ」
母親「太郎、今日は魚は捕れたのかい」

次の日、太郎はいつもように釣りへと出掛けた。
別の定位置に居たのは別の釣り仲間の与平じゃった。
太郎「与平よ」
与平「なんじゃ、太郎か」
太郎「ゆんべはなぜ居なかったか?」
与平「わしはきのうおっかあと町へ出掛けてたんじゃ」
太郎「何かあったか?」
与平「いんや、干物を売りに行っただけじゃ」
太郎「それよりおととい何があったか知ってるか?」
与平「なにかあったのか?」
太郎「なんじゃ、誰にも聞いとらんのか?」
与平「もったいぶらずにおしえれ」
太郎「おととい、わしはいつものように海へ魚釣りへ出掛けたんじゃ」
与平「」
太郎「あいづちを打たんか」
与平「なんじゃ、聞いておるよ」
太郎「わしはいつものように海へ魚を捕りに行ったんじゃ」
与平「この定位置ではなくてか?」
太郎「そうじゃ、その日はひとり穴場で釣ろうと思っていたからの」
与平「穴場をこっそりわしにおしえれよ」
3投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 03時52分19秒
太郎「この話を最後まで聞いたら教えてやんべ」
与平「わかった、ほいで」
太郎「穴場へ行くため、いつもの所を通ったんじゃ」
与平「うん」
太郎「そしたら子どもたちが何やら集まっておったでよ、わしは見に行ったんじゃ」
与平「それで」
太郎「そしたら大きなウミガメがおってよ」
与平「どのくらいの大きさだ?」
太郎「そりゃもうでっけえだ」
与平「それからに」
太郎「子どもらがそのウミガメに小石をぶつけていたんじゃ」
与平「ウミガメのどこにぶつけていたんじゃ?」
太郎「甲羅にぶつけておったが、顔にあたった小石もあった」
与平「そりゃひでえな、甲羅から出てるところはやわいでよ」
太郎「そうじゃ、だからわしはこう怒鳴ってやったんじゃ『こりゃーっ!カメをいじめるでねえ!』とな」
与平「そしたら」
太郎「子どもらは逃げて行ったよ、半分笑っていたがの」
与平「笑っていたのか、にくらしいがきじゃ」
太郎「それでおいらはウミガメを定位置に戻してやって、海へ帰るのを見届けてやったんじゃ」
与平「太郎は優しいやつじゃの、しかしそのがきめらはどこのものじゃ?」
太郎「知らん顔じゃった」
与平「とっちめてやりたいが、顔つきとかおぼえてねえか?」
太郎「そんなことはどうでもいいでねが」
与平「いんや、大人に怒られたのに笑っているがきはゆるさね」
太郎「与平よ、二郎を知らんか?」
与平「二郎ならさっき帰ったよ、あしたは来るそうじゃ」
太郎「二郎にはまだこの事を話さないでくんろ」
次の日、太郎は釣りへ出掛けた。
太郎「二郎、ここにおったか、久しぶりじゃの」
二郎「太郎か、三日ぶりでねか」
4投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 04時05分57秒
そこには五作と与平もおった。
太郎「五作、与平よ」
五作「なんじゃ」
与平「なんじゃ」
太郎「ちょっとこっちへこねが」
二人を二郎から少し離れた場所へ呼び寄せた太郎
太郎「二郎にあの話はしておらんじゃろうな?」
五作「なんの話じゃ?」
太郎「カメの話にきまっとるでねが」
五作「カメ?」
与平「昨日聞いた話じゃろ?太郎がウミガメを助けた」
五作「ああ、あの話か」
太郎「そうじゃ、忘れておったのか?」
五作「いんや、太郎がカメを助けた話じゃろ」
太郎「そうじゃ。ときに五作よ、昨日は見なかったがどうしていただ?」
五作「おっかあと町へ行っとっただに」
太郎「なにかおもしろいことはあったか?」
五作「いんや、干物を売りに行っただけじゃ」
太郎「なんだべ、与平と同じか」
与平「うちのおっかあと五作のおっかあは仲がええでの」
五作「そうじゃ、昨日は与平がおっかあ連れて来たと町の者が言っておった」
太郎「じゃあウミガメの話は二郎にはしておらんのか?」
与平「まだしとらん」
太郎「では今からせんといかんの、戻るぞ」
定位置に戻ってきた太郎、五作、与平の三人
二郎「何を話しておったんじゃ」
太郎「たいしたことじゃねべ、それより二郎」
二郎「なんじゃ」
太郎「三日前、何があったか知ってるか?」
二郎「三日前はわしはここで釣りをしていたよ」
5投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 04時19分02秒
太郎「それは知ってるだ、わしが来た頃におまえは帰って行きよったからの」
二郎「太郎も来とったのか?」
太郎「そうじゃ、穴場でしばらく釣りをして、一応定位置もみまわりにきたんじゃ」
二郎「穴場があるのだったら教えてくれんかのう、最近釣れなくて」
太郎「じゃったら話を聞いたら教えてやんべ」
二郎「何の話じゃ?」
太郎「三日前、おらは穴場へ行く途中に子どもが集まってるのを見つけたんじゃ」
二郎「ほいで」
五作と与平に顔を向ける太郎
太郎「二人も覚えてるな?」
五作「ああ」
与平「ところで穴場を教えてくれる話はどうなったんじゃ?」
太郎「まあまあ、二郎にこの話をし終わったら教えてやんべ」
与平「そうか」
太郎「二郎、それでおらは子どもが何をしているのかを見たんじゃ」
二郎「みなで集まって、しょんべでもしてたか?」
太郎「そんな話をわしがすると思うか?」
二郎「じゃあ何をしておったんじゃ」
太郎「子どもたちは大きなウミガメを取り囲んで、小石を投げおったんじゃ」
二郎「どんな大きさのウミガメじゃ?」
太郎「それはもうでっけえウミガメだ」
二郎「そのウミガメを獲っただか?なら分けてくれろ」
太郎「子どもたちが居なければウミガメを獲って食ってたかもしれん」
二郎「ということは逃しただか?」
太郎「小石をぶつけられてるウミガメを見てると可哀相になってのう」
二郎「ほいで」
太郎「わしは子どもらにこう言ったんじゃ『こりゃーっ!寄ってたかってウミガメをいじめるでねぇ!』」
二郎「ほいで」
太郎「そしてわしはそのウミガメを定位置に戻して、海へズブズブと帰るまで見届けてやったんじゃ」
二郎「勿体無い事をしたのう」
太郎「それより、そんなわしをどうおもう?」
6投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛アホー  投稿日:2019年06月12日(水) 04時33分43秒
二郎「どうしてカメを逃したんじゃとおもう」
太郎「どうしてか分からんか?」
二郎「かいもくけんとうがつかん」
太郎「それはわしが優しい男だからじゃよ」
二郎「どういうことじゃ?」
太郎「いじめられているカメが可哀相に思ったから助けたんじゃよ」
二郎「なんで可哀相に思っただか?もったいねえ」
太郎「二郎、おめはひもじい思いをしているからそう思うだな」
二郎「しかしさっきおめも獲って食おうと思ってたと言うたじゃないか」
太郎「それは子どもたちが居なければの話じゃ」
二郎「子どもたちが居なければカメは食われて、居たから食われなかったのか」
太郎「そうじゃ、子どもたちがカメをいじめているのを見たらそんな気は無うなったんじゃ」
二郎「はて・・どういうことかの」
太郎「おらは囲まれていじめられているカメの気持ちになっただ」
二郎「カメに気持ちなんてあるのかい」
太郎「カメも生きてるだ。だからおらは可哀相になって助けてやったんじゃ」
二郎「しかし子どもたちが居なければおめは獲って食ってたんじゃろ?」
太郎「そうかもしれん、大きなカメだから、おめにも手伝ってもらってな」
二郎「じゃあカメは子どもたちに助けられたんじゃな」
太郎「なにをいいよるか!ウミガメを助けたのはわしじゃ」
二郎「しかし子どもたちが居なければおめは獲って食ってたんじゃろ?」
太郎「そんな事するはずなかろ!カメが可哀相じゃろ!」
二郎「おめはさっきそう言ったでねが」
太郎「言っとらん!何を聞き間違えたらそうなるだ!」
五作「た、太郎、落ち着くべ」
与平「そんだそんだ、おめは優しい男だべ」
太郎「二郎はひもじくて食うことしか考えてねえからそうなるだ!」
二郎「なにをっ!おめ」
太郎のむなぐらをつかむ二郎
太郎「やるか、この!」
7投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 04時55分26秒
二郎「おめ、おらをばかにしただな!」
太郎「生き物の気持ちがわがんねおめはばかだ!」
二郎「ちくしょうめ!」
太郎になぐりかかる二郎、二郎のこぶしが太郎の右腕にあたる
太郎「おめ、おらをなぐったな!全然痛くねえ!」
数日ろくに食事をしていない二郎は、力が出ないどころか軽く栄養失調になり、右手はしびれていた。
ボコッ!
二郎の胸を力を込めたこぶしで突いた太郎
そのまま声も出ず、地面に崩れ落ちる二郎
五作「太郎!!」
与平「二郎、大丈夫か!おめ、なんて事するだ!」
太郎「そいつがむちゃくちゃぬかすからだ!」
二郎「・・・」
五作「何もここまでする事じゃねえべ」
与平「そんだ、太郎おめどうかしてるだ」
太郎「二郎が先に殴りかかってきたんじゃ!」
五作「それにしてもやりすぎじゃ・・・二郎!?」
与平「二郎が動かね!」
五作「太郎が殺した!!」
与平「二郎は良いやつだったのに!」
太郎「何をぬかすだか!おらは手加減をしたよ!二郎おめ大丈夫か」
二郎「・・・」
太郎「・・・二郎!」
太郎に掴みかかる五作と与平
五作「どうするつもりだ!太郎!」
太郎「おらはそんなつもりはなかったべ!!」
与平「そんなつもりなかったで済む話じゃねえべ!」
二人に詰め寄られる太郎、そこへ意識を取り戻した二郎が手を伸ばし、太郎の足を掴んだ
太郎「あっ!!」
五作と与平「わっ!」
8投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 05時19分17秒
「ギャーーーーーーーーーーー!!!」
ザボーン
岩と岩の間の隙間から五作と与平は落ちてしまった。
太郎「おーい!おーい!! 五作よー!!与平よー!!」
必死に叫ぶ太郎の声も虚しく、そのまま荒波に飲まれ消えていく二人
地面に顔をひれ伏し、太郎の足を掴んだまま力の無い二郎がつぶやく
二郎「・・・おめえがやっただ」
太郎「二郎!おめえが・・わしの足を!」
二郎「おめえは優しい男なんかじゃね・・・カメをじまんばなしのタネにしただけのひとごろしだ」
太郎「ひとごろしはおめえでねえか!」
鬼の形相で二郎に迫る太郎
二郎を引きずり岩の隙間に連れて行く太郎
二郎「五作と与平も殺した、優しい男でもなんでもねえ、おめは鬼じゃ」
太郎「今すぐにその言葉を取り消さんとおめもここから落とすぞ!」
栄養失調と意識が朦朧とする中、二郎もまた正気を失っていた
二郎「太郎はひとごろしじゃー!次はおらを殺す、村の衆につたえてくれー!」
「じごくさおちろ!」
太郎は二郎を岩の隙間から落とした。
ザバーン、力の無い二郎はあっという間に沈んで行ってしまった。
急いで三人の釣り具を岩の隙間から投げ込む太郎

次の日
村の衆A「大変じゃー!!」
村の衆B「どざえもんが上がったぞー」
村の衆C「二人じゃ!」
村の衆D「これは・・五作と与平じゃ!」
村の衆E「五作と与平でねか!」
村の衆F「なんてこった」
村の衆G「おっかあが悲しむぞ」
村の衆H「誰か五作と与平のおっかあを呼んでこい」
9投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛アホー  投稿日:2019年06月12日(水) 05時47分08秒
まやいぬいい加減にしろよ
10投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 05時52分11秒
一週間前
二郎「わしの妹を太郎の嫁にあげたいんじゃ」
五作「おめ、なにを言い出すか」
与平「二郎の妹ってあの乙音(おとね)をか」
二郎「そだ、太郎にはいつも世話になってるだ」
五作「しかし乙音は村一番の美人でねか!」
与平「そんだ!太郎じゃなく、おらにくれろ!」
二郎「おめらにはもう嫁っ子がいるでねが」
五作「だども、どうして太郎に」
与平「んだ!」
二郎「太郎さには昔から本当に世話になってるだ、釣りのやり方も全部教えて貰った
だどもおらはいつまでも釣りが下手で、そんなおらを見て太郎さは自分の魚をくれるだ」
五作「太郎はそうだ、優しい男だ!」
与平「んだ、おらたちの頼れる兄貴分だ」
二郎「んだ。だのに、太郎さには嫁が居ねえ、だからおらは恩返しがしてえ」
五作「だども乙音が蛤を売るのをやめたら、おめは食ってけねぞ」
与平「ただでさえ釣りもできねえ貧乏なのに、乙音が居なくなったらおめ・・」
二郎「だいじょうぶだ。いつまでも乙音や太郎さの世話になってるからおらはダメなんだ、恩返しをする番なんだ」
五作「太郎も良いやつだが二郎も良いやつだ!」
与平「んだ!」
二郎「おらは釣りは下手だけど今は釣れた魚は全部町で売ってるだ」
五作「だから二郎、おめ最近ふらふらしてると思ったら」
与平「自分が食えねのに魚を売ってどうすだ?」
二郎「おら、鯛を買うだ!」
五作「た、鯛だってか!?」
与平「そそそんな魚釣れねえべ!」
二郎「んだ、だからおら、町で買って太郎さに上げるだ」
五作「きっと喜ぶべ、おらたちも少ないが手伝うべ」
与平「んだ!今度おいらたち干物を売りに町へ行くべ、少ないが足しにしてけろ」
二郎「おめら・・・ありがとな」
11投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー  投稿日:2019年06月12日(水) 06時30分07秒
なろうでやれ
12投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 07時01分18秒 [中吉]縁談:あまりこだわらないことよろし
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13投稿者: 投稿日:2019年06月12日(水) 08時18分14秒
なろう初めてみたけど、ただの俺みたいな長文野郎の閉鎖病棟じゃねーかーーーーーーーーー
14投稿者: 投稿日:2019年06月16日(日) 00時22分49秒
この後の展開を説明すると、結局浦島は罪悪感にとらわれて
頭が半分おかしくなって、二郎の水死体をウミガメと思い込んで竜宮城で乙姫に会うんだけど
それはまさに乙音を海に沈めて殺してる最中で、その快楽=竜宮城なわけで
乙音を殺して、玉手箱(玉櫛笥・たまくしげ)の中の腐った鯛を見た時に我にかえって
その時のストレスで一気に白髪になって老けるっていうオチ
投稿者 メール ファイル
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