サル痘の潜伏期間は5〜21日(通常7〜14日)とされる(WHO, 2021)。潜伏期間の後、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、肛門痛、筋肉痛などが1〜5日続き、その後発疹が出現する。発疹は典型的には顔面から始まり、体幹部へと広がる。初期は平坦であるが、水疱、膿疱化し痂皮化した後、発症から2〜4週間で治癒する(写真2)。発疹は皮膚だけではなく、口腔、陰部の粘膜、結膜や角膜にも生じることがあるが、特に初期においては水痘や麻しん、梅毒などのその他の発疹症との鑑別が困難なことがある。リンパ節腫脹を呈する頻度が高く、類似した皮膚病変を示す天然痘との鑑別に有用とされる(Andrea M. 2014)。