- 1投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー 投稿日:2010年11月12日(金) 09時48分38秒
- いつも「チータス 童貞」ばかりで芸がないので、創作してみた
この世の中に、30の後半になって、まだ童貞の男などいるわけがない―。
照夫は、不信感を表情に露わにして、うつろな眼でクソゲーに熱中するこうはに近づいた。
「あなたのいつもいってること、つまり、その」
照夫は、言葉にためらいを含め、視線を横に外しつつ、こうはに話しかけた。こうはは、反応する様子もなく、クソゲーに集中していた。
照夫は思いを決した。
「チータスは、その、チータスは本当に童貞なのですか?」
一瞬、自分の周りの空気が重くなったような気がした。その重圧に耐え切れず、照夫は大量のつばを呑み込んだ。
こうははクソゲーをやっていた手を止めて、ゆっくりと照夫の方を向き、迷いのない笑顔を見せて言った。
「チータス 童貞。そうさ、チータスは童貞なんだ」
照夫は軽いめまいを感じた。癌の宣告をされた時のような、絶望的な気持ちに襲われた。しかし次の瞬間、得体の知れない安堵感がこみ上げてきて、それがめまいを感じている照夫の足を支えてくれた。
こうははまだ何か説明をしてくれていたが、照夫はもう聞いてはいなかった。
照夫は、まだ11月だと言うのに、首にマフラーを巻き、こうはに別れの挨拶をして、雨が降り暗くなった路上の人となった。