映画の話  投稿
544投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー 06/03(日) 22時44分56秒
「アイ・アム・ザ・ブルース」観てきた  ★★★★
http://www.curiouscope.jp/Iamtheblues/ [google変換]

アメリカ発祥の黒人音楽といえばジャズやらR&Bやらゴスペルやらソウルやらラップやら
いろいろあるけれども、それらの原点はやっぱブルースだろう。
アメリカ南部、白人経営の綿花畑で奴隷時代と大差ない労働条件の下こき使われ
せめてもの憂さ晴らしにギターやハーモニカ片手に「こんな糞みたいな生活やってられっか」
的な心情を歌い上げた労働歌、というのがブルース(=憂鬱な歌)の根っこなわけだが、
本作は、少年時代にそういう最底辺生活を強いられていた最後の世代、齢80前後になった今もなお
ミシシッピやルイジアナ辺りを根城に現役ミュージシャンとして活動する老ブルースメンたちの
日常生活とそのサウンドを追い求めたドキュメンタリー映画である。
監督のダニエル・クロスは黒人でもアメリカ人でもない白人カナダ人というところがかえって面白い。
まあカロビの大多数を占める上級国民のみんなにとってはブルースなんてプリミティブな土人音楽を聴くぐらいなら
牛のゲップでも聴いてる方がまだマシということになるのかも知れないけど、
ガテン系非正規の俺にはサウンドも美しい影像もズシンと胸に迫るものがあった。
結構みんな貧しく慎ましく暮らしてて、名声を博した老ミュージシャンが主催者相手にチマチマギャラ交渉してるシーンなんか実にグッと来る。
老醜、と切り捨てるのは容易いが、結構カッコいいんだわあいつら。
特に80過ぎと思えないボビー・ラッシュのパフォーマンスと左利きのギターがイカすバーバラ・リンに惚れた。

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