映画の話 投稿
- 439投稿者:小房の粂八 09/30(土) 19時08分21秒
- 僕も『エイリアン コヴェナント』観た ★★★☆
プロメテウス号が人類の創造主たるエンジニアを探して旅立ち、行方不明になった後の世界。2,000人+1,000人の胚芽を乗せた移民船コヴェナント号は、航行途中、明らかに地球人が発していると思われるメッセージを受信。発信源は、移民先に予定されている惑星よりはるかに近く、好環境であった為、進路を変更するが…。
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エイリアンサーガ三部作において、前作『プロメテウス』がエピソード1でそれに続くエピソード2。
時系列的には最初の『エイリアン』がエピソード4。
ep4以降シリーズ『エイリアン2」,『同3』,『同4』といえば、怪物が人間に寄生し殲滅し、主人公達がそれに抗うという構図で、ep1も今作もその要素はあるのだけれど、
主題はそこではなく、創造主と創造物の物語。
『プロメテウス』にて、はるか昔に「エンジニア」(『エイリアン』にて宇宙船で化石になってた巨人)が人類創造の種を蒔いていた事が明らかになり、はるかに時が流れて後、次は「エンジニアの子」である人類が知力身体能力とも自分達を凌ぐアンドロイドを創造する。
物語のベースには恐らく聖書や欧州の神話の類の寓話になってる部分があるのだろうけど、僕には知識がない為にそこは分からない。
しかし、これならば分かる。要は、創造主が進化した創造物と対面したらどうするか、また、創造物が神だと考えていた創造主に対等かそれ以上の関係性を発見したらどうなるかの感じが描かれているのだ。
つまり、部活で1年の時は完全に格下扱いしていたチームメイトに、3年になったら実力逆転された感じ。または、凄く美少女だと焦がれて、奇跡的に付き合ってみて、何年かしたら、割りとどうでも良くなって、気付けば他にずっと気になる女子が出来てしまったあの感じ。
こういう逆転や失望や高揚が、エンジニア、人類、アンドロイドの間で紡がれる物語が、ep1〜ep3である。
また、エイリアンもその関係性に取り込まれているのだが、エイリアン達が知的にそうなるまでこのサーガを描き切るには、70代のリドリー・スコットにとって時間が足りないかもしれない。
そして、この関係性の物語は、『エイリアン』と同じく30年以上前の名作の続編が今年公開され、同じくシリーズ化となり、監督も同じ、『ブレードランナー』における、人間とレプリカントのそれと相似のテーマである。
どちらも描ききった物を観たい。お願いだから、リドリー・スコットには100歳まで壮健で居て欲しい。
タイトル