【ねぇムーミン】カロビー出席簿【ね】 投稿
- 371投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー 06/11(水) 12:36
- 淀川さん関係者はもれなく誘われる。
ヨドガー対ハスミン、ヤマダ組第一回戦とも言うべき、「映画千夜一夜」(中公文庫)を読む。
淀川長治、蓮實重彦、山田宏一の3人による座談会という体裁になっていて、一応はそれで正しいのだけど、蓮實と山田は淀川先生を両側で支えているだけで、しかもこのご老人、支えられていながら蓮實のことをニセ男爵だのインテリ趣味だのと言いたい放題、山田にいたっては「山の手のピアノ弾いてるお嬢ちゃん」扱い。「薔薇族の少女趣味」とも形容されていたな。これ、ちょっとすごい。
内容としては非常に高度なのだけど、つまりはバカ話。なにしろあの蓮實が、誰それは脱いだとか脱がないとか、「デボラ・カーって馬鹿みたいな顔じゃないですか」とか、無防備発言を連発しているのだ。それらを引き出した淀川先生の人徳は最大限にたたえられてしかるべきだろう。
もう完全に失われてしまった数十年前の映画を、あたかも昨日見てきたかのように再生する淀川の語り口はやはり驚嘆に値する。原著が出てから15年以上たち、淀川先生なしで世界は動き続けているわけだけど、発刊時に蓮實、山田とも未見で、淀川先生にさんざっぱらバカにされたウィリアム・ワイラーの「孔雀夫人」も、今ではDVDで見ることができる。それにわたしたちは、フィルムがとんでもない場所で見つかることがあるのを知っている。希望を持っていけないことはない。
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