【たぬき】カロビー出席簿【た】 投稿
- 152投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー 05/14(水) 21:26
- 前立腺癌死亡例の85%には椎体転移が認められる1)。骨転移の存在とその進展は個々の患者の予後を的確に反映する。骨転移の早期診断は今後起こり得る骨折などの合併症への警告となってくれる。一方,PSAスクリーニングなどの普及で早期前立腺癌が多く発見されるようになり,骨転移の確率が極めて低い患者群が存在する。すべての症例のM-病期診断に骨シンチグラフィが必要かを検証する。
解 説
骨シンチグラフィは骨転移を検出する最も感度の良い方法である2)(III)。テクネシウムジフォスフォネートが骨/軟部組織比が非常に高いことから,よく放射線試薬として用いられている。骨シンチグラフィ上の骨病変の半定量的評価は予後と相関するとされている3)(III)。
PSA検査の出現により,前立腺癌の病期診断に骨シンチグラフィをルーチンに使用することが問題視されている。治療前のPSAが100ng/ml以上の場合には,それだけでほぼ100%の確率で転移病巣の存在を意味する4)(IV)。その一方では,稀ではあるがPSAが低値でありながら骨転移を有する例も存在する。PSA 20ng/ml以下では約99%で骨転移を認めない5)(III)。新規に前立腺癌と診断された未治療群に対してPSAと骨シンチグラフィとの関連についての報告がある。それによるとPSAが10ng/ml未満かつ無症状で,高または中分化癌である場合には病期診断目的での骨シンチグラフィは不必要と報告されている6),7)(IV)。
しかし,骨シンチグラフィの陰性所見は治療前の有用な情報が得られる。第一には,ベースライン評価として後に患者が骨痛を訴えた場合,治療後の評価と比較できる。第二として,上部尿路画像として両側の腎機能を確認できる。PSA値が低い患者の場合,このような観点から骨シンチグラフィの費用が正当化できるかは議論が分かれる。
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