「ナ・ウクライーネ」って言ったら殴られたんやけど
1投稿者:ウラジーミル  投稿日:2023年02月25日(土) 00時41分36秒
なんで?
2投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー  投稿日:2023年02月25日(土) 02時08分15秒
アイネ・クライネ・ナハトムジークってスーパーカーの曲と思ってた
3投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛アホー  投稿日:2023年02月25日(土) 07時37分25秒
ロシア語の辞書を引くと、「ウクライナ」は、大文字で始まる国名だけでなく、「辺境」という意味の小文字で始まる普通名詞としても立項されていることがわかる(ただしアクセントの位置が違い、また現在では「辺境」という意味では、「ウクライナ」ではなく「オクライナ」という一文字違いの語を使う)。「ウクライナ」のもととなる語「クライ」には「端」「辺境」ととともに「地方」「国」という意味があり、ウクライナ専門家によれば、この地にあった中世の国家キーウ・ルーシの12-13世紀の年代記には、「ウクライナ」が、キーウ・ルーシを構成する「諸地方」の意味で使われているという(原田義也「ウクライナとは何か――国名の由来とその解釈――」服部倫卓・原田義也編『ウクライナを知るための65章』明石書店、2018年)。だが14-17世紀にこの地域を支配下に置いたリトアニア大公国とポーランド王国は、この地域を「辺境」という意味で「ウクライナ」と呼んだ。そして17世紀半ばからモスクワ国家がこの地域を保護下におき、次第にその自治を奪っていくにつれ、今度はモスクワがこの地を自らの「辺境=ウクライナ」とみなしはじめる。逆に言えば、この地域がモスクワに対する「辺境=ウクライナ」となることによってこそ、モスクワ国家はルーシを支配するロシア帝国だと名乗る基盤を得たのである。
 21世紀の現在においてもロシア人がウクライナを自国の「辺境」とみなしていることを示す事例は、身近な言語表現にも見出せる。大学1年次の初級ロシア語で扱うロシア語の前置詞 「ヴ」と「ナ」は、それぞれ英語の in と on にあたり、どちらも 「〜で」と訳せるが、国名と組み合わせるときは、ふつう「ヴ」を使う。「日本で」は 「ヴ・ヤポーニー」であり、「ロシアで」は「ヴ・ロッシーイ」となる。だが「ウクライナで」と言うときには「ナ・ウクライーネ」というふうに、「ナ」を使うロシア人が非常に多い。この「ヴ」と「ナ」 の違いは、その地をれっきとした主権国家として扱っているか、国家とはいえない辺境として扱っているか、という点にある。「ナ」は、なんらかの領域の端や辺境に関して使われる前置詞なのである。ロシアでもたとえば政府の公式文書においては「ヴ・ウクライーネ」と記されるが、ロシア人の多くは日常的・無意識的に「ナ・ウクライーネ」 と言う。これは単なる伝統や習慣にすぎないともいえるが(ウクライナ侵攻に反対するロシア知識人でさえ、「ナ・ウクライーネ」と言う人がいるし、私の使っている露和辞典にも「ナ・ウクライーネ」という記載がある)、ロシアの帝国意識が自然化され、固定化されているのだと見ることもできよう。プーチン大統領が2021年の論文において主張した「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性」 は、ウクライナを自らの内部の辺境の地位におしとどめ、その自立性を認めない日常的な言語習慣をグロテスクに誇張したものだといえる。「ヴ」と「ナ」の違いは、第2クォーターの初回あたりの授業で扱うが、大学の安全な教室と、遠いウクライナの殺戮現場が重なり合い、苦しい気分になる本年である。このような状況にもかかわらずロシア語を履修してくれた学生たちには、「ナ・ウクライーネ」ではなく「ヴ・ウクライーネ」と言ってください、と例年以上に強調した。
http://hokuriku-hist.jugem.jp/?page=1
4投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー  投稿日:2023年02月25日(土) 11時14分17秒
なげーよ
5投稿者:ヾ(゚д゚)ノ゛バカー  投稿日:2023年02月25日(土) 11時32分19秒
要約してもらったわ

ロシア語の辞書には、「ウクライナ」は大文字で始まる国名だけでなく、「辺境」という意味の小文字で始まる普通名詞としても存在する。14-17世紀にこの地域を支配下に置いたリトアニア大公国とポーランド王国は、この地域を「辺境」という意味で「ウクライナ」と呼んでいた。逆に言えば、この地域がモスクワに対する「辺境=ウクライナ」となることによってこそ、モスクワ国家はルーシを支配するロシア帝国だと名乗る基盤を得たのである。21世紀の現在でも、ロシア人はウクライナを自国の「辺境」とみなしていることが言語表現に表れている。ロシア人が「ウクライナで」と言うときには、多くの場合「ナ・ウクライーネ」というふうに「ナ」を使う。
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