俺の背中の後押ししてくれ!
18投稿者:マヤイヌ  投稿日:2023年09月07日(木) 15時39分32秒
【ペット王国のお兄さんの話】
学生時代、派遣でペット王国の警備員のバイトをしていた時、爬虫類コーナーに僕は配置された。
そのお兄さんは、そう、Winter fallのPVのHYDEのようにセンター分けと白いシャツで
ヘビコーナーで店長と僕の間をうろうろとしてた。
犬連れのお客さんとかが通りかかる度に僕にニヤニヤしながら耳打ちする
「あの犬は◯◯と◯◯を掛け合わせた奴・・・無理矢理ね」
僕はえーそうなんですか、知らなかった、と興味津々に訪ねたりするうちに
お兄さんは僕にヘビを持たせようとし始めた。
「持ってみなよ、かわいいよ、ほら首の方から、頭は触っちゃダメだよ」
「うわっ!怖いっすけど・・・も、持てた・・・。」
僕は初めてヘビを触って、持つことが出来た。
「ほらっこっちもかわいいからね」
そう言ってお兄さんはもう片方の僕の腕に別のヘビを巻いてきた。
思った以上におとなしいヘビ、僕は意外にもすぐに驚かなくなっていた。

そしてなんとお兄さんは僕の首にもヘビを掛けてきた。
「お〜すごいすごい」お兄さんがいたずらっぽくニヤニヤと嗤う
さすがに首を締められたりしたらどうしようと思っていると
「あのね、一回噛まれたらなかなか離さないから気をつけてね」
意地悪そうに言うお兄さん、それを聞いてゾッとしつつも
僕はなんだか優越感を感じていた。
お兄さんは更に僕の胸辺りにイグアナをくっつけてきた。これは怖くない。
そんな僕をまだ爬虫類が触れないペット専門学校の研修生たちは珍しそうに見ていた。

警備員なのに僕が一番爬虫類を持っている。
いつの間にか僕はお客さんにヘビとの触れ合いをさせる役割にもなっていた。
面白いのは男性の客ほどヘビを怖がって
女性の客でヘビを怖がる人は殆ど居ないことだ。
続く
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